高校時代の英語の宿題の話です。
桑原君「めぐみ(私)~、今日の英語の宿題、英訳やってきた?」
私「やってきたよ。見せたろか?授業中ずっと貸したるわ。私見てもしゃあねえで。ええよ。」
桑原君「ほんとにいいの?何か悪いねー!」
〈授業が終わって〉
桑原君「お前の英訳めちゃくちゃやったぞ!なんでspringのことを”バネ”って訳すんや!ちょっと考えれば分かるやろ!
バネに何で小鳥が鳴くんや。普通の感覚やないぞ、お前。「春」って普通訳すんや。
それにそのあとの英訳全然違う文章書いたったぞ!ページ間違えたんか?」
私「そんなことないよ。ちゃんと宿題のページ見とったよ」
桑原君「はあ?見とったって何や。読んどったんやろ?」
私「そんなことないて、しっかり眺めとったんやて。」
桑原君「それって、どういう事?」
私「だから最初は読んだんや。ほんで一行だけ訳したんやけど、訳すのあんま、乗る気にならんかったもんで、しゃあねえで眺めとったら、2行目から下は模様に見え始めたんや。
だってアルファベットってきれいやん?
ほんで見とれとったら、なんでかしゃんけど、その模様の意志みたいなもんが届いてきたんや。
ほんでその意志がどういう主張しとるのかイメージしとったら、いい話になったもんで、それ書いたんやよ。」
桑原君「そんなノートいらんわ。宿題の英訳がほしかったんや。
それに先生にあてられて上から3行目を訳しなさいって言われたら、大変やったぞ!
そのままノート読んだらみんなに変な目で見られるとこやったわ。」
私「なんで?桑原が私にノート貸してって言ってきたんやぞ!桑原も芸術系やで、私のノートで感じ入るもんがあると思ったんやけどな~!
桑原!お前、感性磨いたほうがよくね?」
桑原君「お前なあ、この前も英語追試やったやろ?あれの英訳も妄想して描いたんか?」
私「当たり前やん!私自慢やないけどイメージ力あるで毎回そうしとるよ。
いい文章書けて自信ある時でも追試なんや。常連やよ!でも楽しくてやめれんもん、やっぱ!」
桑原君「お前、英語の文法とか大丈夫か?それよりお前の頭ン中に英単語入っとるか?いくつか英単語言ってみ?中学のやないぞ、高校で習ったやつやぞ」
私「???」
桑原君「え?1つもないわけ?
お前今度から妄想で描くのやめろ!絵やと思わんで文章やと思うことから始めなあかんぞ!
いっくらお前のめざす芸大、ほとんど学力なくていいって言っても、やばいて、これ!
とにかく今度の試験から受験当日やと思って普通に訳してけよ。20点分でいいで普通に訳すんやぞ。わかった?」
私「 perhaps(たぶん)や」
桑原君「お前この〝perhaps”は俺の質問に対する答えなの?”たぶん”ってなんや?全然意味通じんのやけど。
それとも思い出した英単語なの?これ中学の英単語なんですけど。
お前なあ、中学の時賢かったやねぇか。有名私立高校にも受かったんやろ?あれ偏差値65って聞いたけど、なんでわずか1年でここまであほになるんや~!」
私「だから may be(たぶん) やて!」
桑原君「はぁ?なんでまた『たぶん』なんや。もしや俺の話が理解できたかどうか、それも自信ないで『たぶん』って答えたんか?
あのねー、全く会話にならんのやけど。
それとも『なんで1年でここまであほになるんや~』の答えが『たぶん』なの?
お前、英語だけやなく、国語もあぶねえぞ!
お前入学直後の現国の偏差値72やったやろ?なんでこうなってまったんや。
英語と国語や。やっぱお前、言語中枢やられとるわ。
あぁ~!わかった、わかった!お前が『たぶん』に込めた意味は、試験当日、英文見て妄想に浸らずに、英文としてとらえて、やっていけるかどうか自信ないってことやな!」
私「もぉぉお! ちっちゃい!ちっちゃい! グジグジ、グジグジなんじゃあ!
ほんなこと気にしとったら生きてけれんて!
もっとど~んとかまえとれ!世の中うまいこと行くもんやて。
大丈夫やて、
大丈夫ぅううー!!!
私はこんなことで心動かんよ!これが肝が据わっとるゆうこっちゃ!
こうやって生きるのが男の中の男なんやぞ!
お前男やろ!私のほうがよっぽど男前や!ついてこいや~!!!!
ほんな事より、私の描いた話どうやった?自信作なんやけど!」