中学3年の夏
母「来週金沢に行くことになったで、めぐみ(私)も一緒に行こうね。」
私「え?私は行けないよ。」
母「何で?」
私「何でってもうすぐ模擬試験やがね。」
母「何で?勉強なんかいつでもできるがね。2~3日勉強しなくても大丈夫やて。」
私「あかんて、中3の夏休みは大切なんやって。1日も休めれんて。」
母「あんた行かんと困る。あんた行かんと私行けんがね。行ってよ!」
私「嫌や、勉強したいで。」
母「変な子やね。何で勉強なんかしたいの!」
私「この前の模擬試験、志望校より偏差値3点たりんかったんや。理科と社会があかなんだでや。足引っ張ってまっとったんやて。
だから、今度までに克服しようと思って計画立てて勉強してきたんや。もうちょっとやと思うし、どんな結果が出るか知りたいんや。
あとの教科も現地てんの偏差値知りたいの。弱点を知って勉強方針を立てたいの。戦略練りたいの。どうしても志望校に行きたいで。」
母は途中からボーっとしていました。
母「つまり、行くっていう事?」
私「違うて、行けんゆう事や!」
母「あんたはいっこく(強情)で親のいう事きかん!小さい時からそうや。
テンパー(弟)なんか嫌がっとっても、おやつか小遣いあげればすぐに言うこと聞く育てやすい子やった。
その性格直さなあかんよ!」
私「でも、お願い勉強させて。」
母「死んでまったら金沢行けんのやよ。それに今回行かんと一生いけんかも知れんのやよ。」
私「いいから、そんなこと。」
母「あんた一人でおいて行けんで。私どうしても行きたいで行って。」
私「一人でも大丈夫やて。」
母「あかん、あんた一人置いては心配で行けん。」
私「大丈夫やて、おばあちゃんと一緒に留守番するで。」
母「そうや、そうや、それはいいわ!おばあちゃんに聞いてみるわ。なんでこれ、気づかんかったんやろ!
ほんとやおばあちゃんに頼めばいいんやわ。」
おばあちゃんに電話をしてから、
母「おばあちゃんがめぐみの面倒見るって言ってくださったよ。食事もちゃんと作って食べさせるって言ってまえた。
あんた行かんでいいよ。
おばあちゃんが見てくれるで安心して行けるわ。
行ってきま~す。」
おばあちゃんは認知症