子供が学校に通っている間中、我が家はたまり場でした。
遊ぶだけではなくちゃんと勉強してたんです。
中学くらいになると勉強しにみんな来てたんです。
近所のお友達のブーちゃんは、高齢出産で生まれた一人っ子。ものすごく大切に育てられていました。
兄弟がいないので、分け合うことなく育ちました。
わがままではないし、やることは大胆でズレてるから面白くて、それでもって優しい子でした。
私は健康にいいクッキーを作ろうと思い、食べ物の効能を調べて、ゴマココアクッキーを作っていました。
不器用な人が作った、素朴すぎるクッキーです。
でも、ゴマとピーナツを擦り込んで、油が出るまで擦り込んですぐに作るので、売ってるものと風味が違うんです。
子供たちはこれが大好物で、なぜかブーちゃんも大好物でした。
よかったら、作ってみてください。レシピはこちらです。簡単ですよ。
私、簡単なのしか、できないんです。
形がめちゃくちゃでしょ?
型を抜くの好きじゃないんです。面倒なだけではなく、ちゃんとした形に「味」を感じないんです。だから、私のクッキーは崩れた形なんです。
絵も写真みたいなのあまり好きじゃないんです。
写真みたいではなくても、ピカソとかミロとかゴッホの良さはわからないんです。
私の好きなのは、やっぱ、ボナール
と、デゥ・ビッフェ
ですね。
あと、息子の絵が好きなんです。学校では全く評価されませんでした。
ダメか orz
話を戻します。
ブーちゃんが勉強しに来ていた時にたまたまクッキーを焼いていました。
ブーちゃんは気づいたのです。クッキーの匂いに。
嬉しそうな顔をしていました。なんせ一人っ子だから自分のためにって思っちゃうのかな?
私は娘に「もうすぐ、クッキー焼けるから」
なぜか、ブーちゃんが、
ブーちゃん「ヤッター!」
ということで、ブーちゃんにも出してあげました。
もっのすごい勢いで口に入れます。娘はほとんど食べれません。
私は娘がハラハラしているのを感じていました。
やっと、自分だけ食べたらいけないことに気づいたブーちゃんは、
ブーちゃん「すいません、
もっと食べてもいいですか?」
しばらくしたら、
ブーちゃん「すいません、
家に持って行ってもいいですか?」
ブーちゃんと娘は仲良しなのですが、この時の娘はマジギレしてました。
娘「私のなのに、何で一人で全部食べようとするかな~!食べるの早いから、私ほとんど食べれなかった!」
もう10年以上前の話です。
今では、笑い話になっていると思いますよね?
「思い出に変われば優しい」って何かの歌詞にありましたよね?
それが違うんです。「あの時は頭来た!」ってまだ言ってます。食べ物の恨みは怖いです。
昨日体調が良かったので、このクッキー作れました。
子供たちの笑顔を見るのが幸せです。作っている時も、見るのが楽しみで、ウキウキしてました。
いろいろできるようになって、喜ばせることができるようになりました。自分の価値が少しだけど見いだせてる気がします。
娘に、
私「ブーちゃんに少し持ってってあげよっか?」
娘「もう、あげなくていいから(笑)」
恨みはつきません。
成人した今のブーちゃんは、深夜帰りが多くて駅から歩くのが怖いそうです。
不審者に襲われたらいやなので、前髪を全部垂らして、前かがみになり、右に左に揺れながらお化けのふりをして帰ってきます。
娘はブーちゃんの方が不審者だと言っています。
ブーちゃんの面白話です。↓