私は高校2年から本格的に美大進学の勉強を始めました。
学校から帰ると軽食をとり、美術研究所に行き夜遅くまで絵を描きました。
その当時の美大の学科は中学程度で大丈夫だったので、
勉強なんかしないで絵を描いた方が勝算があったんです。
だから学校はエネルギー補充の場でした。夜のために。
授業は全くついて行けません。ついていく気もありません。
数学なのに数字の他にアルファベッドや変な記号が出てきます。
サッパリわからない。
「数学のくせに英語使いやがって、
数学か英語か、
はっきりしろ!」
と思っていました。
私は美大だからいいけど、普通の大学を受験する子たちが、いろんな遊びをしていました。
一番思い出に残っているのは、
数学の先生が黒板に書いている時に、
教室を抜け出し
グランドを一周して席に戻る、
というゲームです。
最初の男子が教室を出るところで先生にバレて、思いっきりビンタを張られていました。
「たーけ(アホ)めが~!」
このゲームはこれで終了です。
数学の先生は一人で勝手にやっててくれたので休めたんですけど、英語の先生は当てるのでボンヤリさせてくれませんでした。
学校には体を休めに来ているのに、これでは意味がありません。
アルファベットはただの模様にしか見えませんでした。
思い出に残っているのは現国です。
ある日、抜き打ちテストがありました。
もろ、やる気がしないので、後ろの男子に、
私「ねえ、抜き打ちってありえねーし!
名前書かずに、
『あぶりだしだよ~!』
って書いて出さん?」
男子「いいねえ、やるやる!でも大丈夫かな?」
私「名前を書かへんかったら
誰が出したかわからんやん。
大丈夫やて。」
何日か後の返却のとき、
先生「ふざけたまねをしたのが2人いる」
とこっちをにらんで言われました。
後ろから声が、
男子「おい、めぐみ、
おまえバレえへんって言ったよな。
バレたやねーか!」
私「たぶん、みんな名前書いたんや。
何で書くかなあ?
自分の学力先生にバレるになあ。
ふつうの神経やったら書かんハズやに。
でも大丈夫や、うちら学科いらんもんね。」
男子「俺はもろ学科だけや!」
どういうわけか、シバタは現役でけっこう有名な大学に行きました。
私は撃沈!
幸せな、しあわせ~!な浪人時代の幕開けです。